当社は、世界中で必要不可欠な社会インフラを提供し、産業とくらしを支えていると自認しています。依然として新型コロナウイルスの感染は続いておりますが、世界は対策を取りながらコロナからの回復を目指しています。私たちもその社会的責務を果たすべく、従業員をはじめ、ステークホルダーの皆様の安全を第一としながら事業を継続し、コロナからの回復をサポートしてまいります。
取締役 代表執行役社長 浅見 正男
荏原グループは、1912年にポンプメーカーとして創業して以来、世界中で生活や産業に必要な製品・サービスを提供し続け、社会や地球環境の維持、改善に貢献してきました。
近年、事業環境が見通しにくい中、当社が今後100年も更なる成長をし続けるためには、短中期を超えた将来のありたい姿の明確化と、その実現を目指した方針と戦略が不可欠と考え、2020年2月に10年後の長期ビジョン「E-Vision2030」を発表しました。
長期ビジョンは「技術で、熱く、世界を支える」 をスローガンとし、「今後10年間、ESG経営やSDGsへの寄与を通じて持続的に社会に貢献し、社会・環境価値と経済価値を同時に向上させていくことで企業価値向上をさせ、グローバルエクセレントカンパニーを目指す」ものです。
そして、各事業が10年先を見据えたありたい姿「E-Vision2030」からバックキャストし、新しい中期経営計画「E-Plan2022」を策定しました。
長期ビジョン「E-Vision2030」と中期経営計画「E-Plan2022」の詳細については、以下の資料をご参照ください。
E-Plan2022の2年目は、事業ごとに課題はありますが、全社ROIC、営業利益率の改善がさらに進み、E-Plan2022の目標を1年前倒しで達成いたしました。
2021年は新型コロナウイルスの影響を受け、部品不足による調達難や原材料、物流費などのコストが上昇しましたが、事業ごとに対策を講じることで業績への影響を抑制することができました。一方、第4四半期以降は、原材料価格の高騰などにより、標準ポンプや冷熱事業などで状況の悪化がみられ始めました。
2022年は、半導体不足や半導体市場での設備投資の拡大、石油ガス市場における原油価格の上昇による投資マインドの改善などにより、事業機会が拡大するものとみております。
E-Plan2022の最終年度となる今期は、残る課題や新たな施策にしっかりと取り組み、E-Plan2022の目標並びに今期業績予想の達成に尽力してまいります。
株主還元について、自己株式の取得は2021年5月に発表させていただいた200億円の上限枠に達しました。取得した全株式数351万株につきましては、2022年の1月31日に全て消却いたしました。配当方針は、連結配当性向35%以上を目標に、業績に連動して実施する方針としております。これに従い、21年の1株当たりの年間配当金は163円、22年は170円となる見込みです。
E-Vision2030の最初のステージであるE-Plan2022も最後の年に入り、引き続き「更なる成長に向けた筋肉質化」をテーマに各施策を着実に進め、次の成長のステージへつなげていきます。
そして今後も当社の根幹にある創業の精神「熱と誠」と、熱意をもって培った技術で、持続可能な社会、進化する豊かな生活の実現に向けて、グローバルな社会課題の解決に取り組んでいきます。私たちは社会に貢献する仕事をやり続け、そしてその価値を認められ、皆さんに喜んでいただくことで事業活動を継続していける。そのような企業であり続けたいと考えています。
2022年4月